鉄道番組、テレビ各局が自粛
「NHKなど、鉄道関連番組の放送延期」(日経)
尼崎JR脱線事故を受けてNHKは25日、列車を取り上げた歌のコーナーがあるとして、同日夜の「きよしとこの夜」(総合)の放送を延期。26日から30日まで連日放送予定だった「列島縦断 鉄道乗りつくしの旅」(BSハイビジョン、BS2)の延期も決めた。
NHK広報局は「事故の被害者や家族に配慮した」と説明。列島縦断の旅自体は続けるという。
また毎日放送も5月1日にTBS系で放送を予定していた「情熱大陸 鉄道で時代を分析する政治学者・原武史」の延期を決めた。毎日放送は「電車に乗っている映像が延々と続くため」としている。
延期された3番組の放送時期はいずれも未定。〔共同〕
『列島縦断 鉄道乗りつくしの旅』は関口宏の息子・知宏出演の日本全国のJR全路線をすべて乗りつくす様子を生中継をまじえながら放送するというNHKにしかできない、NHKしかやろうとしない企画です。次回放送分はJR西日本管内ではないのですが、さすがに「鉄道っていいね」と言える雰囲気ではないです。
残念なのは毎日放送の方です。スポーツ選手や旬の芸能人を取り上げている印象のある『情熱大陸』ですが、最近は硬派な人物も取り上げているようです。原武史さんといえば、気鋭の文化・政治学者です。『大正天皇』(朝日新聞社)、『可視化された帝国―近代日本の行幸啓』(みすず書房)などこれまで誰も本格的に取り上げていないものの近代日本を考える上では非常に重要なテーマをあつかい、主に天皇に関する研究が多いのですが、『「民都」大阪対「帝都」東京――思想としての関西私鉄』 (講談社)というような鉄道史関連でも優れた著作があります。むしろこういう世情だからこそ取り上げるべき人物だと思うのですが、どんな番組でもけちをつける視聴者はいるものですから、放送局の判断としては難しいところがあります。
こうしてテレビが番組延期を発表していますが、鉄道関連では映画でも5月7日に『交渉人 真下正義』が公開を予定しています。東京の地下鉄がハイジャックされるという、「鉄道怖いよ」系の映画ですから、延期されたテレビ番組よりも内容的には厳しいでしょう。同じような内容の映画が今日の夜にテレビ放送されていれば、延期されていたことは確実で、配給する東宝の対応には注目です。
きょうの一冊:
『鉄道ひとつばなし』 著/原武史 講談社現代新書

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