アシモ、教壇に立つ
「ロボットのアシモ、教壇に 日本科学未来館でデモ授業」(朝日)
ホンダの二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」が、小中学生の理科の授業を手伝うことになった。日本科学未来館とホンダが6日、デモ授業を公開した。本番は、4月19日から京都市で、秋に島根県出雲市の科学館で行われる。
教壇に立つということは、もちろん教壇の段差を昇ったのでしょうね。バリアフリーが進む最近の小中学校では教壇なんてものは存在しないでしょうが、僕の通った高校・大学にはまだありました。教師の権威を象徴するというよりも、教師の身長の低さをカバーする役割が大きかった気がしますが。
今回の場合は教材に使っただけであって、アシモが直接子どもを教えたわけではなさそうですが、もし本当にアシモが授業する日が来たら、扶桑社の教科書を使うか、君が代斉唱でも起立するか、学級崩壊にどう対応するかといった深刻な問題と直面することでしょう。そんな現実の教師の悩みはロボットにはちょっと荷が重過ぎます。虚構新聞の嘘ニュース「アシモが溶鉱炉に転落、炎上」が現実のものになるかもしれません。
そこまで技術が発達せずとも、今のアシモでもそのうち入学者の定員割れに悩むどこかの大学が話題づくりに客員教授に招いたり、名誉博士号を贈ったりしそうです。その就任式や授与式の席上、おもむろに立ち上がったアシモが辞退する旨の演説を始めて、ロボットが知能を獲得した最初の事例となれば面白いのですが。
『トリビアの泉』でも紹介されていましたが、アシモの名前の由来の一つであるSF作家、アイザック・アシモフは「人間は、無用な知識を得ることで快感を覚える唯一の動物である」と言っています。この知識は有用であると無理に押し付けるよりも、使えないかもしれないけれど面白いムダ知識のほうが吸収し易いですし、一周まわって役に立つこともあります。特にストレートに学べば難解でしかない理科教育はそうした教え方のほうが会っているようにも思えます。なにせ、アシモの特技の二足歩行も欧米からはムダ技術あつかいされることがあるのですから、有用な知識かどうかなんて極めて主観的なもののはずです。
きょうの一冊:
世界一ウケる授業
『もっとおもしろくても理科』

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