「サンフランシスコ版ミシュラン出版へ 審査員が“秘密調査”」(産経 Sankei Web) 潜入捜査というとスパイ物やポリス・アクションの映画みたいですが、こうした取材方法はアメリカ版に限ったことではなく、ミシュラン・ガイドの伝統的なスタイルです。 調査員の受けたサービスが特別なものにならないように一般客を装ってレストランに通うためということですが、そうした秘密のベールにつつまれた評価手法のために客観性や公平性を疑問視する見方もあります。 2005年のベネルクス版ガイドでは、まだ開店していないレストランを格付けしてしまったこともあります。 とはいえ、ニューヨーク版がフランス料理びいきなのは海外へ旅行する本国フランスの人々に世界各国のレストランの評価を提供することが最大の目的であるからでしょうし、料理の味にたいする評価に主観が入り込むのは当然のことですから、いくらかのバイアスがかかるのは避けられません。 それでも1900年版の創刊から足掛け三世紀を経た今もってミシュランが伝統と権威あるガイドブックであるのは、これまでの読者がその評価を支持している証でもあり、世界最良の「目利き」と認めているからに他なりません。 ただ、サンフランシスコのようなヨーロッパの食文化だけをベースにしては評価が難しい地域へ進出したということは、ミシュランがヨーロッパ中心のガイドにはとどまらないという戦略転換の表れでもあります。 今後、日本版が出版されることになれば和食がどのように評価されるのか興味のあるところです。しかし、ミシュランが西洋人の調査員を日本に送り込むとすると、料理の味については食文化の違いは如何ともしがたいから「西洋人の口に合う和食」と割り切るにしても、サービスの評価では日本独特の和心こもったもてなしが理解されず、従業員の外国語の出来不出来で決定されかねない危険がともないます。 日本の食文化はフランス人では評価しきれないと感じたミシュランが日本人の調査員を雇う可能性もありますが、「ウィニー騒動」に見られるような情報流出大国ニッポンですから、調査員の顔が瞬く間に全国の飲食店に知れ渡らないとも限りません。 ここは顔がバレているのを前提に、「隣の晩ごはん」のレポーターを終了したヨネスケを起用してはどうでしょうか? 日本全国の晩ごはんを知り尽くした彼の味覚に狂いはなく、持ち味の突撃取材と訪問先にすぐに馴染む人柄で平素の店の姿を十分に残したサービスを受けることができます。 唯一の難点は最高級フランス料理よりも一泊二千円の民宿で出される手作り料理の方に星をあげそうなヨネスケの評価がミシュランには不向きなことですが。 参考: Michelin announces San Francisco, Bay Area as North American guide destination (Mischelin U.S.) 「「ミシュランの星」はどう決めているのですか?」(dancyu 2000年8月号) 「ヨネスケ「隣の晩ごはん」2804軒で終止符」(日刊スポーツ 06/04/01) 「ヨネスケ」(Wikipedia) 関連: 「格付け」(ぼすのできごと 05/01/30) 『Michelin Red Guide 2006 New York City: Hotels & Restaurants』 『裏ミシュラン―ヴェールを剥がれた美食の権威』 『恨ミシュラン (上)』 西原 理恵子 (著), 神足 裕司 (著) 『ごはん―『突撃!隣の晩ごはん』はあなたに幸福をもたらす!』 ヨネスケ (著) |
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